
最近、「毒親」という言葉をよく見かけます。
とは言っても、今まで身近で「毒親」に触れたことがなかった(気づかなかった)ため、「世の中にはそんなひどい親がいるんだなぁ…」くらいの意識しかありませんでした。
しかし先日、身近な人(Aさん)から
「自分の親は、いわゆる毒親だったのではないか。そのせいで今まで苦しかった。今まで人に言えなかった。」
という話を聞きました。

何もわからない子どものころから、親の態度になんとなく違和感があったそうです。
その違和感が何なのかわからないまま生きてきたのですが、「毒親」という言葉を知って、自分に当てはめてみたら急にしっくりきて、今になって親に対して怒りや悔しい気持ちが溢れ出してきたとのこと。
「自分の子どもにはこんな思いは絶対させたくない」と、50才の大人が泣きながら告白するくらいの心の傷。
「毒親」って何なんでしょうか…。
「毒親」について考えてみました。

↑このDomaniの記事では、「否定タイプ」「放置タイプ」「過保護タイプ」「過干渉タイプ」「嫉妬タイプ」「白黒思考タイプ」の6種類の毒親タイプが紹介されています。
前述のAさんの場合は、
- 父親が「放置タイプ」
- 母親が「過干渉タイプ」と「否定タイプ」のミックス
でした。

両親が子どもに暴力をふるうことはありませんでした。
ただ、夫婦仲は悪く、子どもの前でも大きな声で喧嘩をすることはよくあったそうです。

そして、「放置タイプ」の父は全く子どもに関心がなかったのです。
例えば、こんな感じ。
- 子どもの世話は全くしない
Aさんには年の離れた弟がいるのですが、母親の体調が悪いときでも父親が全く世話をしないので、自分が弟のご飯を作ったりおもちゃを買ったりしていたそうです。 - どこかに遊びに連れて行ったり、家族で出かけたりすることがない
- おかずやお菓子は、子どもの分を残すことなく全部食べてしまう
- 休日は自分の趣味に没頭するため、部屋から出てこない

一方、「過干渉タイプ」&「否定タイプ」の母親は、何でも先に決めてしまい、子どもに意見を言わせないタイプ。
例えば、こんな感じ。
- 「Aちゃんは○○が好きだから、こればっかり選ぶのよね」と好きでもないキャラクターの絵がついた洋服を買ってくる
- 地元の中学に行きたいのに私立中学を受験させ、不合格だったときは「あなたが行きたがったから受験したんでしょ」と言う
- 中学生・高校生になってもお小遣いがないので、子どもは友達と出かけてもジュースも買えない
- 誕生日やクリスマスなどの行事は全くないのに、気が向いたときに突然プレゼントを買ってくることがある(しかも、特に欲しくもないものだし、3人兄弟のひとりだけに買ってきたりするので困る)
- 子どもの意見には、まず「そんなのダメよ」と全否定
- 子どもを褒めたことがない
無関心な父親と過干渉な母親の元で育ったAさん。
私もAさんの両親を知っているのですが、Aさんの告白を聞くまでは普通に仲の良い親子だと思っていて、違和感に全く気付きませんでした。
Aさんの母親は、外ではAさんことをよく自慢していて、特に「反抗期も全然なくて、優しい子なの」という話は、私も何回も聞きました。
でも、この「反抗期もない子」というのは、逆から見ると「子どもが反抗することも思いつかないくらい押さえつけていた」ってことだったのかな…と、今になってみると思います。

さて、「毒親」の呪縛から解放されたAさんですが、どうなったかというと…
最初は、子どものころにもっと「あーしたかった」「こうしたかった」と怒りながら、親への恨み節を吐いていましたが、それが終わると気持ちがすっきりして、これからの自分の人生を楽しむことに切り替えたようです。
ただ、今でも、親から連絡が来るとイヤな気持ちになったり、これから先の親との向き合い方に悩んだりはしているようですが…。
親子関係って、一生続くので、難しいですね。
